【第1回】本間祐史さん（楽天株式会社）-若者が輝く”あの企業”に突撃！-

国内最大のインターネットショッピングモールだけでなく、プロ野球チームなど様々な事業を行う楽天は、若手人材の中途採用にも積極的だ。今回は教育研修本部兼採用推進本部・副本部長の本間氏に詳しく話を聞いた。

急成長中の私たちが欲しいのはこんな人！

―本日はよろしくお願いします。6名から始められた御社はたった創業10年で、従業員はグループで約4000名、当初は13店舗だった楽天市場の出店者数は2万店超に急成長されました。若者の採用にも積極的のようですね。

その通りです。当社の代表の三木谷も「若くてやる気のある人」こそが会社の成長に欠かせないと言っています。インターネットのような若い産業では、それまでの常識はすぐに通用しなくなってしまいます。そのため、経験よりも未知の世界に挑む勇気や柔軟性こそ重要なのです。実際に社員の平均年齢も30歳と若いですよ。

ちなみに昨年の採用実績ですが新卒の約200名に対し中途は約670名で、その大多数が若手でした。そもそも弊社が新卒採用に本腰を入れたのは5年前。ですから、社内では圧倒的に中途入社の人が中心なのです（笑）。

―中には第二新卒の人もいると思いますが、どんなことを重視して採用されていますか。

弊社では第二新卒という概念がないのですが、若手の中途採用に限って言うと、新卒と同じく社内で育てる対象だと捉えています。ですから、スキルや学歴、年齢等の条件は設けていません。学校を卒業して志を持って何かに真剣に取り組んでいれば社会人経験も問いません。また、社会参加を少しとまどってしまった人でも、それを超える「想い」さえあればチャンスを与えたいですね。

―では、新卒と中途採用に人事評価上の違いはありますか。

ないんです。評価の基準となるのは「格付」と呼ばれる社内の人事等級です。そして成果主義一辺倒ではなく、結果に至るプロセスでも判断しています。能力だけでなく、「マインド」、すなわち弊社の価値観を実践できているのかも「格付」の評価対象になるんですよ。

孤独を感じやすい中途社員も手厚く迎えます。

―御社では定着しづらいと言われる中途採用者が活躍できるよう、どんな工夫をしていますか。

2つあります。1つ目は、同期意識が希薄だと孤独になりがちですので、入社後に情報交換できる仲間づくりのキッカケを提供したいと思っています。具体的には、中途採用者に３日間にわたる入社時研修を毎月実施しています。多い月には100人以上にもなりますが、自然と同期会を行っているようです。

また、入社した月に全員が参加する「社長ランチ会」や、同じ月生まれの社員が集まる「誕生会」もあります。加えて、カフェテリアの食事を無料にしたり、社内にフィットネスジムを併設しています。「社員は同じ志を持った仲間である」というコンセプトの表れです。

―ではもう1つの工夫とは何でしょうか。

前職でのカルチャーを早く捨ててもらうために、価値観の理解に力を入れています。例えば、弊社の仕事の進め方の基本は「成功のコンセプト」ですが、全然違う考えの会社で仕事をされていれば、なかなか馴染みにくいでしょう。ですから、経営陣が入社直後の中途社員研修で話をし、創業当時の体験談等を通じ「楽天主義」を伝える機会を多く設けています。また、毎週月曜日の「朝会」と呼ばれる全社ミーティングも、価値観を理解するよい機会となっています。

ちなみに「朝会」では、かなり深いレベルで情報の共有がなされます。朝会は情報の宝で、仕事に活かせるヒントがゴロゴロしています。それから、弊社には多数のビジネスユニットがありますが、その配属先ごとに教育担当者がいます。彼らも中途入社の場合が多いので、みなさんの不安を汲んでサポートできます。

あなた次第で活躍の舞台はたくさんあります。

―ところで、御社で活躍できるのはどんな人ですか。

「成功のコンセプト」を実現できる人ですね。これは三木谷が作った社員の行動指針です。弊社では、働く社員の成長が会社の成長に直結すると考えています。今日の姿があるのも、社員たちがこれに乗っ取って楽しみながら日々を邁進してくれたからこそなのです。

三木谷は「楽しい仕事があるのではなく、仕事を楽しめるかどうか」と様々な場でよく話しています。これを例えて言うならコップにふたをしている人ではなく、常に開けている人。つまり、未知のことでも尻込みせずに、何でも興味を持って吸収する姿勢で頑張って欲しいですね。

成功のコンセプト

1. 常に改善、常に前進
2. Professionalismの徹底
3. 仮説→実行→検証→仕組化
4. 顧客満足の最大化
5. スピード！！スピード！！スピード！！

―求職中の若者にメッセージをお願いします。

楽天は三木谷の「日本を元気にしたい！」という想いからできた会社。「成功のコンセプト」に「常に改善」とあるように、みなさんが積極的に声を挙げてくだされば、その熱い想いを必ずしっかり受け止めます。ですから、言われたことをキレイにやるのではなく、やりたいことを自ら見つけて行動できる「自走する社員」を目指してもらいたいと思っています。前にも述べましたが、弊社はそもそも数年前まで中途採用者ばかりでした。その中には、社会人経験がわずか1～2年で入社し、30代で役員になった者もいるのですから。

―では最後に、御社の今後の展望を教えてください。

「世界一のインターネットサービス企業」という目標に向けて、台湾やルクセンブルクなど海外事業も本格化しています。次の10年の成長に向けて、やるべきことは山積みで、みなさんが活躍できる舞台であふれています。弊社の将来を担ってくれる若者の入社を熱望しています。