既卒者が派遣社員として働く際の注意点

既卒者の中には、正社員採用されるまでの間、派遣社員として働こうと考える方が多くいらっしゃいます。就職面接がうまくいかなくて、既卒になってしまったという人は、なおさら派遣社員としての働き口を探すのではないでしょうか。

確かに、経済的な事情を考えても、既卒者は一刻も早く収入を得なくてはいけません。就職活動期間ずっと無収入というわけにもいかないと思います。「一旦、派遣社員や契約社員として働く」ということがダメとは言いません。

もしも、今後あなたが正社員として働くことを望んでいるのであれば、注意しなくてはいけないことがいくつかあります。

契約社員・派遣社員としての職歴は評価されにくい

派遣社員や契約社員は一応“社員”という名称はつけられているものの、実際、就職市場のその経歴が評価されるかと言ったら、難しいというのが現実です。職種にもよりますが、派遣社員の方が大きな責任を被るような仕事を任されることは稀です。短い期間で働く派遣社員の方はその会社の基本的な業務内容を担当することが多く、正社員との業務範囲の違いが明確に決められています。業務内容が限定的であり、会社側もスキル向上を考えて雇っていないという場合がほとんどです。

一方、正社員採用の方は、基本的にはその会社でずっと働いていくことが望まれています。スキル向上、そして将来の幹部候補として、会社側も社員を育てることに注力していきます。正社員と派遣社員の決定的な差はそこにあります。企業側もそのことは分かっているので、派遣社員としての職歴を評価しにくいのです。

派遣社員として働く際の注意点

派遣社員はアルバイトに比べると時給が高く、基本的には定時で帰れるため、就職活動中の身からすると非常に魅力的に見えます。また、職種が豊富で仕事が比較的見つけやすいのも魅力です。派遣社員として一生働くことを考えている、または専門的な技術を修得するまで働く、と考えているなら別ですが、そうでなければ、働く際に注意しなくてはいけないポイントがあります。それが、“ダラダラと続けない”ということです。

既卒者が就活で一番大切にしてほしいのが「時間」です。就職活動で採用されやすい年齢は20代前半です。企業側も伸びしろのある若い人材を求めています。例えば、派遣社員の仕事がとても好きで、その仕事を5年続けていたとします。最初は、正社員採用までのつなぎだったはずが、派遣社員としての生活に慣れ、就職活動を全くしなくなってしまいました。気づいたら28歳。契約期間が切れ、新しい転職先を探す時に、改めて本来の目的に気づきます。

28歳の方が正社員として働けない、ということではありません。派遣社員として働き始めた23歳の時と比べると採用されにくくなっているのです。それだけ、時間というのは大切です。ですから、もし“つなぎ”として派遣社員や契約社員で働いている人は、自分の目標はあくまでも正社員採用であることを常に念頭に置きながら働くように心がけましょう。

もしも、派遣社員として働くならば

つなぎとして派遣社員で働く際に、注意点があるので紹介します。まず、他の会社や目指している企業で使えるスキルや経験を身に付けられる職場を選ぶということです。例えば、社会人としての一般的なマナーが身に付けられるような業種であれば、決してその期間もムダにならないはずです。また、正社員採用を目指している企業が特殊な業界であれば、その分野の派遣先を選べば決してムダになりません。むしろ、基礎ができていることで好印象を与えられるかもしれません。

そして、さらにオススメなのが、正社員採用を前提としたインターンシップや紹介予定派遣の仕事に就くことです。一定期間、実際にその企業で実際に働くことで、企業側は当人が本当にその会社に合っているかどうかを見極めます。職場の雰囲気や社内の仕組みなどが分かりますし、未経験でも自分の実力をしっかりとアピールできるので、双方にメリットがあります。働きながら就職活動をしていることになるので、面接が苦手で就職活動がうまくいかなかったという人は、こちらが向いているかもしれません。

正社員として働くことを目標にしながら、派遣社員として働いている方は、このような点に注意して就職活動をするようにしましょう。